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日本画 菊池容斎
菊池容斎は1788年に生まれた日本画家です。主に幕末から明治時代の初期にかけて多くの作品を生み出し、有名になります。東京は江戸、下谷長者町で御徒の子として生まれたた菊池容斎は15歳からは西丸御徒として家を継いでいます。幼少の頃から絵画に興味を示していた菊池容斎でしたが、家柄が厳格であり父にその道を許してもらうことはありませんでした。しかし、16歳の時に描く両親の肖像画を見た父が、その素晴らしさに画家としての道も認めたのだそうです。そして、ますます絵画の魅力に魅かれていった菊池容斎は、18歳の時に当時狩野派であった高田円乗に師事しこの諸派を受け継ぐために絵画の技術を研磨していきます。しかし、順風満帆であった菊池容斎の人生にも転機が訪れます。28歳の時に父の生家が断絶してしまうと悲劇に見舞われます。そのためか、この名家の名が衰退して廃れてしまうのを恐れ妹の婿養子を取らせ河原家を継がせたことで菊池容斎は38歳で致仕することになるのです。しかし、その状況が足枷となり本当にしたかった画業に専念することができるようになり、数々の作品を描くことに没頭していきます。師である高田の死後は、自らの師を選ぶことなく、独自のあたらしい画法を信じ画家として生涯を生き抜いていくのです。さて、そんな菊池容斎の作品なのですが、歴史上に登場する人物画を得意としています。その写実性にとても高い評価があるのですが、元々有識故実の研究家あった菊池容斎であったため数々の諸書であったり名家の土器や歴史的調度品など、数多くの写生をし努力を重ねていった結果が評価を生んだそうです。その中の一作である「蒙古襲来之図」では、波や松に空、そして勢いよく溢れ変える軍兵たちを劇的なタッチと筆遣いで勢い良く描いていることで有名なのです。そんな菊池容斎の才能を美術界が放っておくはずがありません。名誉龍門賞受賞と日本画家としての大家を約束されるような名誉ある賞も受賞するほどでした。菊池容斎は中々自らの意志が通せるような楽な時代ではありませんでした。しかし、その才能を活かし、生涯画家であり続けた菊池容斎の生き様は我々に感銘を与えて続けるはずでしょう。
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